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IV) 車両

車両はオムニノバ社の17人乗りマルチライダーである。利用に際して立ち席での乗車は認められていないので、着席定員を超えればその車両には乗車できない。そのため17人乗りの車両を導入し、予約を断ることを極力減らす努力をしている。後部座席を上げることにより、車いす使用者1名分のスペースが確保される(図5-4-4-11)。車いすでの乗降には、ニーリング機能および手動引き出し式のスロープを使用する。

いすを外して車いすが複数台でも対応できるスペースが必要であるが、現在は利用者が多いためそのまま設置している。そのため車いすでの乗車時は、車内が狭くなるのが課題である。

 

図5-4-4-11 ウッデバラ市のフレックス・ルートの車両

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d. システム確立までの取り組み

i) 需要の把握

フレックス・ルート利用者の需要を把握するうえで、タクシーで使用していた予約システム、メーターシステムのデータが活用されている。タクシーのメーター(日本のタクシーについているメーターに類似したもの)は、1990年のタクシーの市場参入自由化時に装着が義務づけられたものである。当時は上からの押し付けということでメーター装着は歓迎されなかった。しかしこの装置により、タクシーがどのようなパターンで移動し、乗客がどのようなトリップを行うのか把握することが可能になった。ここで蓄積されたデータがフレックス・ルート開始時の需要予測に寄与した。

ウッデバラ市では、フレックス・ルートの路線設定の際に、主要な住宅地やショッピングセンターを含む運行エリアを任意に設定した。そのエリアにおいて65歳以上の居住者の人口から判断して、6〜7千人がフレックス・ルートの利用対象になると考えられた。ちなみに市内のSTS有資格者は、2,600名(人口比5%強)である。

 

ii) ミーティングポイントの設置計画

路線設定にあたり、MPまで利用者を150m以上歩かせない配置計画が検討された。300mのメッシュ地図を用いて基本的な設置場所が決められた。

 

 

 

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