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これは、完全なフラットにした場合と比べて車両の製造コストが安くなるためである。車内設備として、目立つ色の手すりや、乗務員との連絡装置がつけられた車いす・ベビーカースペースなどの配慮がなされている(図3-4-2-14)。

 

図3-4-2-14 トラムの車内

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図3-4-2-15 乗り換えに配慮されたトラムの駅

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鉄道駅や郊外のバスターミナルでは、トラムの駅が近接して設置されており、乗り換えで歩く距離は考え得る最小限になるよう配慮されている(図3-4-2-15)。ロンドンの他の地区でも現在トラムの建設計画がすすめられている。また、『Transport2010−10ヶ年計画』においても、国内主要都市で、25ヶ所のトラム建設が予定されており、本格的な展開が図られる見込みである。ちなみに、マンチェスターおよびシェフィールドには以前から路面を走行するLRTがあるが、ローフロア化されておらず、車いすでのアクセスはランプにより行っている。

車両やホームは完全にアクセシブル化されているが、ホーム上に設置された券売機が太陽光で画面がほとんど見えなくなるなど、課題も残されている。

 

e. ダイアル・ア・ライド(DAR: Dial-a-Ride)

ダイアル・ア・ライドは障害者のためのドア・ツー・ドア・サービスでロンドン内のバラ(行政区)に居住していれば、利用者登録をする事により利用できる。運営はTfLの出資によるが、運行は独立した事業体(ミニバス事業者、コミュニティ・トランスポート組織などが受託)が行っている。このサービスはコストが高いのが課題であり、一回あたり利用者1人あたり約10ポンドの費用がかかっている。運賃は一般のバスと同じにしていることから、不足額は政府とTfLからの支出になっており、その額は年間で約1,200万ポンドである。

 

 

 

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