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(c) レーダーマストのプラットホームは空中線部の点検保守の場所であるから、できるだけ広くし、万一のことを考え、作業者が安全に作業できるように配慮する。プラットホームにはハシゴから上がる入口があるが、これには「ふた」を付ける。床板は滑り止めの模様入り鉄板とし、その端は保守や点検のときに工具などが落ちぬように縁上げをする。また、なるべく空中線ふく射器の先端まで容易に保守作業ができるようにプラットホームの周囲構築物を考えた設計をすることが望ましい。なお、ロープや信号旗などが絡み付いて回転を妨げないような配慮も必要である。

空中線部取付台と手すりの高さは0.8m程度にすると点検調整が容易でかつ安全でもある。

 

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図2・7 プラットホームの一例

 

(3) 2台装備のときの注意事項

(a) 2台目の空中線部の位置についても、1台目の種々な条件と何ら変わるところはないが、通常1台目よりは装備条件はよくないのが普通である。

動作中のレーダー電波によって、非動作中のレーダーの受信器のマイクロ波ダイオードが焼損することが以前にはあったが、現在ではTRリミッター、ダイオードリミッターで保護されているため、ほとんど焼損はなくなっている。

しかし、動作中のレーダーによる干渉や、空中線による偽像が発生することがある。干渉は信号処理で除去が可能であるが、偽像除去は技術的、コスト的な問題があるため、現状では互いの見合せ角度(図2・8のγ)をできるだけ広くとることにより偽像防止が必要である。

 

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図2・8 見合せ角

 

 

 

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