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図2・2 障害物を避ける図

 

この場合、装備導波管が長くなるのはやむを得ない。また、船によっては積荷状態などでトリムが大きく変わる場合があるので、最も厳しいトリム条件下で前方障害物の検討を行う必要がある。しかし、実際にこの角度を得ようとすると、空中線の高さが異常に高くなり、構造上実現が不可能であったり、例え可能であっても航行する水路の高さ制限で実現不可能な場合が多い。したがって、βの角度を小さくし、例えば5度程度にしている場合もある。このときは比較的近距離の感度が落ち、かつ、偽像も現れるが遠距離の感度はほぼ確保されるので妥協案といえる。

(d) 前方の障害物がどうしても避けられない場合には、空中線部を原則として右舷にずらすのがよい。これにより障害物の陰は左側に移り船首方向の視野は確保されることとなる。キールラインから次の二つの式により算出される距離のうち、いずれか大きい値だけ移動すれば十分である。(図2・3)

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Ls:キールラインから移動させる距離(m)

D:前方の障害物の幅(m)

R:前方の障害物までの距離(m)

θA:空中線の水平ビーム幅(°)

LA:空中線の開口長(m)

 

 

 

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