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さらに、ビーム幅で決まるといってもある標準的な値であって、近距離の反射の強い物標では、感度を適正に調整しなければ横幅広く反射を表し、サイドローブで反射が表されて左右90度方向にも映像(これをサイドローブ偽像という。)が表示され、更にはもっと強く反射が表されるようになると、円筒状に映像がつながってしまう場合さえある。

 

2・6 レーダー映像の鮮明度

PPIスコープではAスコープと違って、表示された映像の鮮明度が問題となる。1つの物標を輝点として表す場合、その物標から帰ってくる反射パルスの数が多い程ブラウン管の蛍光面に貯えられるエネルギーが増大してよく光ることとなる。この数をヒット数というが、アンテナが1回転(これを1スキャンという。)する間に物標に当るパルスの数は、次の(2・6)式のMで与えられる。

018-1.gif

ただし、Nはアンテナ1回転の間のスイープの本数

θはビーム幅

mは1秒間に発信するパルスの数(パルス繰り返し数)(パルス繰り返し周期の逆数)

tはアンテナが1回転する秒数(アンテナ回転速度)(60÷アンテナ回転数)

例えば、ビーム幅が2度、パルス繰り返し数が1000、アンテナ回転速度が3秒(アンテナ回転数1分間20回)とすれば、ヒット数は1000×3×2÷360 =16.7となり、アンテナ回転速度が4秒(アンテナ回転数1分間15回)とすれば、1000×4×2÷360=22.2となって、鮮明度が改善されることになる。

 

付録1 (2・4)式の証明

附図1により、R12=(Hs−He)2+R2、R22=(Hs+He)2+R2が得られる。

ここで、R>>(Hs+He) > (Hs−He)であるから、

R1≒R +{(Hs−He)2/(2・R) }及び

R2≒R +{(Hs+He)2/(2・R) }と置くことができるので、

経路差R2−R1は次のようになる。

 

 

 

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