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次にPPI用ブラウン管の最小輝点によっても左右されることは、前節(2・3)の2]における説明と全く同じである。

 

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図2・7 レーダーの距離分解能の説明

 

2・5 レーダーの方位分解能

レーダーの方位分解能とは、2つの物標が自船から見て等距離にあって左右に並んで存在するとき、これらの物標が角度的にどのくらい離れていれば、PPI映像の上で2つ輝点として分離して識別できるかという能力である。

これは主として、アンテナから発信される電波の水平方向のビーム幅によって決まる。レーダーでは物標の方位を測定できるように電波を細かく絞って、物標を探知するようにアンテナを回転させているが、この細さの程度を表すのがアンテナのビーム幅であり、電力の半値幅で表す場合が多い。すなわち図2・8のようにレーダーのアンテナから発信される電波の強さを測定した場合に、正面の最も強い値の半分の強さ(電力にして3dB下がった値)になる左右の点の間の角度幅である。

1つの点物標でもレーダーの画面上では、ビーム幅に等しい横幅を持った映像として表されるから、横に並んだ2つの物標はビーム幅より大きく離れていなければ分離して見分けることができない。また、距離分解能の場合と同じく、PPI用ブラウン管の最小輝点によっても影響される。近距離にあっては輝点ができただけでも、その横幅の方がビーム幅より大きい場合がある。

 

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図2・8 レーダーの水平ビーム幅

 

 

 

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