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(3) 年間修繕船能力は220万GRTで、新造船能力は19,000である(木造艇を含まず)。

 

第3表 新造船・修繕船工事量

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出所:タイ造船工業会

 

(4) タイ造船業発展の歩みは遅い。造船所の大半が河畔に設置されているため、拡張の余地が少なく、水路の水深が浅く、また航路から離れているなどの制約を負っている。

(5) 大抵の造船所は小規模で、事業活動は政府機関からの新造船受注や、特殊機能の小型艇に限られている。

(6) 修繕船事業についていえば、規模や事業範囲の拡大、価格競争力の強化などがあったものの、発展の過程でハイテクの活用に欠け、納期についても顧客の要請に応えていない。

(7) 造船所の多くは設備、殊に大型専用設備の不足に悩み、そのため生産性も低水準にとどまっている。

(8) 造船産業に対する関連工業からの支援が乏しい。必要とする資機材のほぼ80%を輸入に依存している。そのため利益率が低く、また納期も不安定である。

(9) 造船産業は船舶設計、建造工法に関する技術が遅れている。造船業における研究開発活動は殆ど皆無に等しい。

(10) タイの造船所は国際市場向けの商船建造では競争力が不足している。

 

3. 政府の施策

タイ政府は雇用創出と外貨獲得の重要な柱として新造船・修繕船事業の重要性を認識し、業界を支援する施策をいくつか発表した。その目的は、新造船・修繕船事業に関する限り、自立を確保し、小型外航船の輸出市場で相応のシェアを獲得できるまでに業界を育成することにある。

その施策には以下のようなものがある。

 

(1) 優遇税制

・15GRTを超える船舶の新造および/または修繕に使用される資機材の輸入税免除

・新旧・寸法を問わず、浮ドックの輸入関税を1%に減額

・輸出向けFRPの建造振興のため、使用される部部品および材料の輸入関税を還付。

 

 

 

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