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フィリピン船級協会(PRS)

フィリピン船級協会(PRS)は、船級付与を目的として、非自航バージを含む、あらゆる種類の船舶、舶用機器の設計、建造、検査についての規則と規格の設定、開発、更新、管理に従事する。PRSは、船級協会に通常求められる業務、すなわちPRS船級取得船舶の定期検査、特別検査の実施と証明書の発行、証明書の有効期限確認、その他フィリピン政府および/または外国政府が認可した法定海事関係業務を行う。

 

業界の将来展望

 

新造船部門の発展

・老朽船舶の代替、船舶金融、内航船隊近代化の計画を積極的に遂行しようとする現在の政府の姿勢からして、国内の新造船および船舶解撤の能力に対する需要は、今後の数年間に増加するものと期待される。短期的見通しとしては、5,000GT以下の小型船の建造がターゲットになる。業界の建造能力がさらに向上、発展すれば、50,000GTまでの中型船も建造可能になるものと思われる。

・海事産業団地(MIP)は、海事産業中期開発計画(MTPD)を支援して、海事関連インフラの立地ニーズに応えて構想された。当初の段階でこのプロジェクトは、新造船設備、石油物流/備蓄基地、部品供給基地、海事産業労働力充実のための地域調査/研修センターの用地を提供することになる。

・個々に立地する企業は、フィリピンに地域事業本部(ROHQ)を設置する多国籍企業を誘致するためのEPZA、PHIVIDEC、R.A.8756などのインセンティブを享受し、またブルネイ・インドネシア・マレイシア・フィリピン東部ASEAN成長地域(BIMP-EAGA)において雇用を創出することにもなる。これは地域協力のためのイニシアティブに沿った、またミンダナオ島に開発努力を集中するよう求める政府の要請にも応えたMARINAの貢献である。

・この産業団地はMARINAとPHIVIDECとの間で交わされた協定覚書に基づいて、カガヤンデオーロ市のPHIVIDEC工業団地内100ヘクタールの区分に配置されている。2000年1月5日に、ジョセフ・エストラーダ大統領が開設式典で標識の序幕を行ってMIPを発足させた。

・一方、立地企業を誘致するためにインフラの整備が進められている。

 

修繕船需要の増加

・修繕船業界の市場の将来性には、明るいものがある。東アジア地域における海運活動の増大はもちろんのこと、内航・外航船隊の老齢化が進んでいるため修繕工事に対して需要拡大が見込まれる。さらに、フィリピン海域を通過する外航船の数はますます増加し、これも修繕船需要に寄与するに違いない。これは外国船によるわが国の修繕船設備利用を促進するために採用された、自由化政策の成果である。修繕船需要は、2000年には大幅な拡大が期待される。

 

 

 

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