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4.1 UNEP(国連環境計画)における取り組み

UNEPが事務局を務めるバーゼル条約締約国会議では、LWG(法律作業部会)において、解撤目的の船舶の移動に対しバーゼル条約を適用する際の法的問題点に関する検討が、また、TWG(技術作業部会)において、船舶解撤に伴う環境負荷の低減(有害廃棄物の適正管理)等を目的として「船舶解撤ヤードの技術ガイドライン」の作成作業が、それぞれ行われている。

4.2 IMO(国際海事機関)における取り組み

IMOにおいては、他の国際機関と連携を取りながら、海上安全の確保・海洋環境の保護という観点から船舶の解撤問題の検討が進められている。

第44回MEPCにおいて、船舶の解撤に関するCG(コレスポンデンス・グループ)の設立が決定され、現在、CGにおいて船舶の解撤に関する情報収集、解撤作業に伴う安全・環境リスクの明確化等の検討が進められており、その結果は2001年7月の第46回MEPCにおいて報告される予定である。

 

5. 船舶解撤の促進の意義

船舶の安全航行・海洋環境の保全を進めるため、安全上のレベルが低い老朽船の解撤を促進する必要がある。このためには世界的に、解撤需要に対応できる解撤能力の確保が重要である。また、海運・造船業界にとって、国際マーケットの中での安定的な事業の実施の観点から、船舶解撤の促進は重要な課題として位置付けられる。このような認識から、海運・造船の主要国である日本は、海運・造船の関係者の協調の下に、官民において、国際的な解撤の促進に向けて積極的に取り組んでいる。

 

6. 船舶解撤促進事業制度の概要

運輸省は、1978年度から、船舶解撤を促進させるため、(財)船舶解撤事業促進協会に造成された船舶解撤促進助成基金により、解撤事業者が行う船舶解撤事業に対し船舶解撤促進助成金を交付している。

1993年度からは、国内で行われる解撤に対する助成に加え、我が国の解撤事業者が海外で解撤を実施する場合(例えば、我が国解撤事業者が出資した海外合弁会社に、解撤工事中の安全確保・公害防止を指導しつつ、解撤工事部分を下請けに出す場合など)についても、助成金を交付している。

 

 

 

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