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次に(b)のようなマリーナ型舵は、上端固定、中間支持と考えられるもので、この場合には二つのモーメントは同程度の大きさとなる。次に(c)のようなハンギング型舵は、上端固定、下端自由と考えられるもので、この場合には曲げモーメントの方がねじりモーメントよりはるかに大となる。

舵頭材に働くねじりモーメントは、(a)、(b)、(c)いずれの型式においても、舵面に働く水圧力と、その圧力中心の軸線ABよりの距離との積で与えられる。

曲げモーメントは(a)型ではほとんど無視してよく、(b)型ではA端固定、B端支持のはりが第3.27図(a)に示すような水圧に比例した段階的荷重を受ける場合のA端における曲げモーメントの値をとればよい。(c)型ではやはり上端固定、下端自由のはりが第3.27図(b)のような場合のA端における曲げモーメントの値をとればよい。

 

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第3.26図

 

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第3.27図

 

このようにして、ねじりモーメントと曲げモーメントの値がわかれば、舵頭材の寸法は次の公式により容易に計算することができる。

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(23)

ここに、M=曲げモーメント、Q=ねじりモーメント、d=舵頭材の直径、S=許容垂直応力であるSとしては7.88kg/mm2くらいをとる。

 

3.4.7 溶接継手

溶接継手の応力分布や破断強さは必ずしも単純なものではないが、継手の形状と寸法を決定するための強度計算では、のど断面内の応力分布を一様と仮定して簡単に行なうのが普通である。そしてのど断面について計算した垂直応力またはせん断応力が、許容応力よりも低くなるように継手形状と寸法を設計する。

 

 

 

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