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a] 舵面に働く垂直圧力

舵の面に働く圧力の大きさは、船の速度、操舵角、舵面積によって異なってくる。これについては次の公式が一般に広く用いれらる。

ボーフォイの公式:(第3.24図参照)

P=58.8AV2sinα (20)

ここに、P=板の受ける圧力(kg)、A=板面積(m2)、v=板の速さ(m/sec)、α=水の進行方向と板面のなす角(これを迎角という)

なお、実験によれば、α=35°のときに圧力が最大となるので、舵の強度計算にはα=35°のときの圧力を用いればよい。

 

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第3.24図

 

b] 圧力の中心

圧力の中心の前後方向の位置を求めるには、次式を用いる。

ジェッセルの公式(長方形板に関するもの):

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(21)

ここに、x=板の前縁より圧力中心までの水平距離、b=長方形板の幅、α=板の迎角

強度計算では、α35°とすればよいから、(21)式でα=35°とおくと、

x/b=0.37 (22)

そこで、実際の舵では、第3.25図のように、舵面を横に細長い長方形に分割して、各々の長方形(19)式を適用して、全体としての圧力中心の前後方向の位置を求める。

圧力中心の鉛直方向の位置は簡単に、舵面積の重心と一致しているものとしてよい。

このようにして、圧力の大きさと、圧力中心の位置がわかれば、その積によって舵頭材に働くねじりモーメントを求めることができる。

 

079-3.gif

第3.25図

 

c] 舵頭材の計算

舵頭材の計算は、舵の種類によっていくぶん違ってくる。すなわち、第3.26図(a)のような舵は、上端固定、下端支持と考えられるもので、この場合には曲げモーメントはねじりモーメントに比べて小さいので無視して差し支えない。

 

 

 

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