日本財団 図書館


第6章 操舵装置

 

6.1 一般

ごく小型の船舶では舵の頭部に取付けた舵柄を、手で直接又は滑車を使用して索でまわすが、船舶がやや大きくなり、速力が増すと人力によって直接舵を動かすことは困難となり、舵柄にかかる強力な力で対応するためには、電動などによる舵取機械を必要とし、さらに舵取機から遠く離れた操舵室で操縦するために操舵機を必要とすることになる。すなわち、操舵装置は、次のようなものの一連の装置の総称である。

(1) 舵柄(チラー Tiller)又は舵柄孤(クォードラント Quadrant)

(2) 伝導装置

鎖式のもの、伝導軸式のもの、電気式のもの、水圧式のもの、油圧式のもの

(3) 舵取機(スティアリング マシン Steering machine)

手動のもの、動力によるもの

(4) 操舵輪(スティアリング ホイール Steering wheel)

(5) その他の付属装置

操舵装置は、伝導装置と舵取機との組合わせによって、次の方式に分類される。

(1) 手動装舵装置

(a) 鎖式手動操舵装置

(b) 伝導軸式手動操舵装置

(c) 油圧式手動操舵装置

(2) 電力操舵装置

(a) 電気式操舵装置

(電気式伝導装置と組合わせたもの)

(b) 電動油圧式操舵装置

(水圧式伝導装置又は電気式伝導装置と組合わせたもの)

 

6.2 操舵装置に関する規程

船舶には主操舵装置及び補助操舵装置を備えなければならない(「設」135条)。

なお、もと鋼船構造規程426条〜433条に規程されていた事項は、現在は一部船舶設備規程と船舶検査心得の中にある。

ここには、主操舵装置と補助操舵装置について、その主要な事項を示すこととする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION