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このようなものを垂下特性というが、これを比較のために、一般の家庭用の電源と比べてみよう。

 

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第3.4図 定電圧抵抗負荷特性

 

第3.4図は、家庭用の電源が備えていなければならない特性の図であるが、今、アークの代わりに、電灯をつけることを考えてみる。電灯をつける前には、100V、つけたら50Vというように、電圧が下ったり、また二つつけたら30Vというように、電圧が変化するものであっては、電灯の明るさは、電圧によるものであるだけに、困ったことになる。従って、このような電源としては、定電圧の特性でなければならない。即ち、この図でI1は、電灯が1個の時の電流値となって、電圧は一定であるが、電流が変化する特性を有していなければならない。

それでは、交流アーク溶接用電源として、この定電流垂下特性を持たせるには、どのような回路が考えられるかといえば第3.5図のような3種類が考えられる。

まず、第1のa)の直列抵抗型は交流に対しては、損失が多く、実際的ではない。次にb)の直列リアクタンス型は、我が国では殆んど使われていない。我が国のものは、殆んどc)の漏洩変圧器型である。

漏洩変圧器の構造は、通常の家庭用の変圧器の構造とは、原理は異ならないが、一般の変圧器に比べて、二次側の負荷電圧が大きく変動することや、断続負荷であること等から巻線比や、鉄心等に、適切な設計がされているものである。

 

 

 

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