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工場はいかに小さくても、こうした要素が満足できるような設備と組織とをもち、かつ、これらが円滑に運営されなければならない。

更に大切なことは、いくら資金や材料及び設備があっても、これらを活用する優秀な作業員がいなくては、「良い船を安く、納期通り」に建造することは出来ないし、また、これらの作業員を円滑に働かせる管理者も必要だということになる。

このためには工事の進行状態を管理する工程管理や材料を円滑に流す材料管理及び設備管理が行われる。また、従業員のためには労務管理や作業管理が必要ということになる。

また、この他にも、工場運営の原動力となる金融のための財務管理もおろそかに出来ないし、作った船が「欠陥船」になって評判をおとして受注が減ることのないように品質管理も行われなければならない。すなわち「工場管理」の必要性はここにある。

船というものは、大型になればなるほど一般人間社会の縮図といわれるほどで限られた船体の中に各種の艤装品が所狭しと搭載されているので、その管理は非常に複雑なものになる。造船は制限された空間に色々なものを納める一つの総合工業であるから、一歩その管理を誤ると取返しのつかないことになる。

工場運営は、経営を主体として、財務管理、生産管理、販売管理、労務管理等に分けられるが、工場管理という場合は、主として一番大切な生産管理とこれに伴う財務管理、人事管理の一部分のことをいっている。すなわち一口に工場管理といえば、生産管理のことであるといっても過言ではない。

生産管理の内容は次のようである。

(1) 設備管理 → 運搬管理

(2) 労務管理 → 安全衛生管理

(3) 材料管理 → 購買管理

(4) 工程管理 → 作業管理

(5) 品質管理

(6) 原価管理

(7) 財務管理

(8) 公害管理

 

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第1.2図

 

これらは、第1.2図に見るように互に関連をもっているので、組織の中で仕事をする場合は野放しで勝手に行うわけにはいかない。

 

 

 

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