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第1章 工場管理

 

1.1 工場管理とは

工場というのは、諸材料を工作して物資や機械及び建造物を生産する場所の総称である。この工場を正しく順調に運営していくためには、なんらかの形で工場管理が行わなければならない。

管理とは、その文字が示すように、工場の動いている姿をとらえて、その生産を正しく維持しながら、色々な問題点を発見し、改善活動を行い、管理のレベルを向上させることである。

アメリカの経営コンサルタントのジュラン博士は、「管理とは、計画を設定し、これを達成するためのすべての活動の全体である」と述べており、この管理の中には二つの意味があり、第1.1図のようになる。

(1) 現状維持の活動

計画通りの仕事をして、その結果が期待通りにできているかをチェックする。もし期待通りになっていなければ、必要な処置をとっていくものである。

(2) 改善の活動

計画数値の目標を現在の水準より良い所におき、これを達成する計画を立案し実行し、その結果を随時把握しながら目標を達成するのに必要な処置をとっていくものである。

ごく小規模の個人営業に近い工場の場合にはその運営は、すべてその工場主の頭の中におさめられている場合が多いが、工場が大きくなり、設備や従業員が多くなってくると、工場の運営は一人の人間の頭の中だけではむずかしくなってくる。

物を生産するには、まずそれを作ろうとする人の強い意思から始まる。そして企画、設計、次に見積りができ、材料や労力の入手をはじめとして、工事場所、機械工具、それに、それらをまかなう大切な資金といった色々な要素が、しかも適時、適所に準備されなければならない。

 

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第1.1図 管理活動

 

 

 

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