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(安全警戒、試験用員、試験品の回収作業等)

 

8-5-3 実施手順

海上における荒天時性能確認試験の手順概要を図3に示す。各作業の実施手順を以下に示す。

(1) 試験の開始

試験海域に到着した後、試験実施者は海象・気象を確認し、それらが試験実施に適当であり、また、安全な試験実施が可能であることを本船船長と協議の上、試験を開始する。

(2) 風下側の試験

1] 初期展張試験

本船の船首を風上に向けた状態で、左舷に搭載した降下式乗り込み装置を水面に投下展張する。降下路の展張状態及び水面上のプラットフォームの安定状態を確認する。

2] プラットフォーム作業者の降下

本船の姿勢を左舷船側を風下に向けた状態に変化させ、風下側に搭載された降下路及びプラットフォームの状態を観察し、作業者の安全な降下が可能と判断された時に、耐暴露服を着用した作業者4名は、乗り込み口よりプラットフォームへ降下する。

3] 救命いかだの進水

本船上部車両甲板において、試験用の救命いかだ2台を膨脹させた後、左舷側舷門より、水面に降下進水させる。また、作業者待避(回収)用の救命いかだ1台を同様の方法で車両甲板で膨脹させ進水させる。

4] 救命いかだのプラットフォームへの引き寄せ、係留作業

左舷風下側で進水した試験用の救命いかだ2台及び待避(回収)用の救命いかだ1台のもやい索をプラットフォーム上の作業者に渡した後、作業者は、救命いかだをプラットフォーム脇まで引き寄せ、所定の位置に係留する。

また、作業者待避(回収)用の救命いかだ1台を、試験に影響を与えない程度の余裕を持たせてプラットフォーム及び本船に係留しておく。

5] プラットフォーム及び救命いかだへの水荷重付加作業

プラットフォーム床面及び係留された2台の救命いかだ床面に規定された量の水が入る水袋を置き、本船の適当な場所から伸ばされた消火ホースと連結する。

消火ポンプを起動して水袋がいっぱいになるまで水を入れる。

6] 満載荷重試験

水荷重の負荷作業を終了した海上の作業者は、プラットフォームに係留された待避(回収)用救命いかだに乗り移り待機する。

その後、本船は、左舷側船側を風下側に向けた状態のまま、試験海域に留まるようタグボートの協力により船位をコントロールした状態で最大30分間漂流する。

 

 

 

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