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さらに、ノイズ源を特定するために最大位置付近にある機器をEMIプローブで簡易測定したところMF/HF無線装置の液晶表示器付近からノイズが発生していることがわかった。

 

以上のことから、操舵室内でIEC60945の限度値に対して電界強度が大きい周波数がいくつかあった。

その中で156MHz〜165MHzにおいてMF/HF無線装置の液晶表示器付近では限度値を超えた結果となった。ただしこの機器はIEC60945に適合したものであった。

IEC60945(測定方法はCISPR16に準拠)の基準に基づいた放射エミッション試験はオープンサイトや半電波暗室で測定しているので、床面のみ電磁波が反射する環境においての測定値である。それに対し、機器を船舶に実装した場合、ほとんどの壁面が反射する環境であるため、オープンサイトや半電波暗室で測定した結果と差異を生ずる。そのため実装した場合はその周囲の環境により、電界強度が大きく変化する場合があると考えられる。

液晶表示器以外の機器はEMIプローブによる簡易測定を行った結果、ノイズの発生を示す機器はなく操舵室内の電磁環境は比較的良好であった。

 

10-3 操舵室機器のイミュニテイ調査の結果

無線機、携帯電話を使用して機器のディスプレイへ近づけて電波を発した時、画面への影響の有無を調べた。

試験機器を機器のディスプレイの表面約5cmの距離まで近づけて試験を行なった。試験結果を表10-7に示す。

 

表10-7 試験結果

110-1.gif

 

 

 

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