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7] 情報災害…冬の雷による北陸の停電、猛暑や雷による大都市の広域停電が原因となる情報機器の損傷。

8] 列島改造による災害…高速道路、架橋でのゲリラ雪・局地強風・道路凍結。

9] 林野火災…春のほか、近年は猛暑の夏も多発。

 

4. 暴風の災害に備える

1] 昭和の三大台風に学ぶ

室戸台風(昭和9年9月、風害)、枕崎台風(昭和20年9月、水害)、伊勢湾台風(昭和34年9月、高潮)。強い台風の中心が、すぐ西側を通ると災害が甚大(図1)。

2] 台風のどの範囲が危険か

台風には危険半円と可航半円とがある。台風進路の東側(右側)は、西側(左側)よりも風が強く、高潮の危険も大きい(図2)。中心からおよそ50〜100km離れた東側で最も風が強い(図3)。

例外はある。中心から離れた所でも強風や大雨が降ることがあるから中心の動きばかりに目を奪われてはいけない(1982年台風18号の六甲おろし、1974年台風16号の多摩川水害)。

3] 風害が増えている

近年は文化住宅・重要文化財の風害、都市のビル風による風害、そして激増する車両の風害が目立つ。第2室戸台風(1961年9月)以降、大型台風の来襲は少なかったが、1991年の台風19号を契機に国の内外で大型台風の来襲が目立つ。今後予想される大都市を直撃する台風には備えを十分に。

4] 低気圧による暴風も恐ろしい

台風が日本付近で、ふつうの低気圧(温帯低気圧)に変わるとき、その後発達して暴風が吹くことがある(1987年台風12号)。

発達した低気圧(爆弾低気圧と呼ぶ)による冬あらし、春あらし(春一番)、メイストーム(五月あらしは、大火・融雪洪水・海や山の遭難をもたらす(1934年3月の函館大火、1952年4月の鳥取大火など)。

 

5. 豪雨の災害に備える

1] どこで、いつ頃降りやすいか

短時間の豪雨は、日本列島のどこでも降る可能性がある。長時間にわたる豪雨は、列島の南斜面に降りやすい傾向がある。

豪雨は、夕方ごろ(例:長崎豪雨や鹿児島豪雨)と、夜半過ぎから朝にかけて(例:山陰豪雨や新潟豪雨)降りやすい性質がある。特に人間活動の弱まった深夜に降りやすい点に留意したい。「朝雷に川を越すな」のことわざもある。

2] 馬の背を分けるように降る

集中豪雨は局地的に降り、観測網にかからぬことがある。まさに「ブリ網でメダカをすくう」ようなものである。

簡単に雨量を測ってみよう。例えば、コップや茶筒の雨量計では、雨量が10cmの深さにたまれば雨量は100mmである。

3] どんな気圧配置で降るか

豪雨の降る天気図に、台風が介在するのが意外に多い。台風が直接・間接的に暖気を送り込むからである。台風の直撃による豪雨のほか、台風の弱まった熱帯低気圧の通過による豪雨(1986年の茨城県那珂川・小貝川の洪水)、そして台風が遠く離れているときの豪雨(1981年の台風12号の石狩川洪水、1974年の多摩川洪水、1998年の栃木・那須豪雨)がある。「腐っても鯛(台)」である。

4] 近年は、土石流・山(がけ)崩れなどの崩壊災害が増えている

山地・急傾斜地の開発による宅地の増加などで土砂災害が増えている。数日以上も降り続く長雨(先行雨量)と短時間の強雨が災害を発生させる。地震のあとは少ない雨量でも注意。土石流発生の前兆に、石がパラパラ落ちる、わき水が濁る、谷川の減水、ゴムの焼けるような臭いがするなどがある。

 

6. 豪雪の災害に備える

1] 地域によって雪の降り方・雪質が異なる

 

 

 

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