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日本海側は季節風による大雪(山雪、里雪)、太平洋側は南岸低気圧による大雪、そして北海道には季節風による大雪と太平洋を北上する低気圧による大雪とがある。一般に季節風型は乾雪、低気圧型は湿雪である。

2] 近年は、雪下ろし中の事故や転倒事故が増えている

雪害は多彩である。大雪による交通途絶や積雪荷重による家屋の倒壊、風雪・地吹雪による交通障害、雪崩、電線着雪、融雪などによる災害がある。近年は、雪下ろし作業中の転落、屋根からの落雪による死傷や火災、歩行中の転倒、雪氷道路でのスリップ・玉突きなどの事故が増えている。

 

7. 気象災害を防ぐには

1] 防災意識を高める

自分の生命・財産は自分が守るという心構えが必要―防災を他に依存してはいけない。個人の防災意識の高揚が防災の成果につながる。

2] 気象知識を学ぶ

自然災害を軽くするのは、いかに早く危険を察知するかにある。地域の人々は現地の地形に、一番詳しいから、気象知識さえあれば誰よりも早く対処できる。

集中豪雨・突風などの局地現象は、技術的に予測が難しい場合がある。お茶の間で視聴するテレビ・ラジオの最新の気象情報に注意して自然の表情を監視することが大切である。

3] 昔の災害を調べる

一度あった災害は二度ある。地域がどのような災害に危険であるか、郷土史などによって調べる。災害の伝承にも耳を傾ける。

4] 夜間の避難方法を確かめる

大災害はしばしば深夜に集中する。深夜は防災活動を阻害し、人命の被害を大きくする。防災夜間訓練などを通じて避難方法を確かめておく。

「むだ足覚悟で早めの避難」を心がけたい。

5] 警報を信じよう

警報を受けたとき、災害に直面したとき、自分だけは大丈夫と楽観的になりがちである。「正常化の偏見」は困る。

 

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図1 昭和の三大台風

 

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図2 台風進路と風

 

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図3 台風の風速分布(中心からの距離と風速)

 

 

 

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