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新年のご挨拶

 

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九州運輸局海運本部長

足利香聖

 

平成13年の新年にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

いよいよ21世紀の始まりです。新世紀を迎えるにあたりまして一言ご挨拶を述べさせていただきます。

この記念すべき「幕開け」の一年が多くの人々にとりまして明るい、希望に満ちた輝かしいものとなりますよう、運輸行政の分野で全力を尽くしたいと考えております。

まず何よりもこの新しい世紀に入り、第一に申し上げたいことは「国土交通省」の新設です。本年1月6日をもちまして、運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁が統合し新省庁「国土交通省」が誕生しました。「国士交通省」は国士の総合的・体系的な開発及び利用、そのための社会資本の整合的整備、交通政策の推進等を主要な任務としております。

新省庁にふさわしい施策を実施し、国民の皆様の期待に応えるためには、ハード面の建設行政とソフト面の交通行政を一体的に遂行し、統合のメリットを生かした政策を推進することだと思っております。

九州運輸局としても、国土交通省の支分部局として新設される九州地方整備局と緊密な連携をとりながら、総合的な施策の展開を図りたいと考えています。

さて、昨年を顧みますと、我が国の経済状況は依然厳しさを脱していないものの、緩やかな改善を続けました。個人消費は、おおむね横ばいの状況ですが、企業の設備投資は持ち直しの動きが出ており、製造業では投資意欲の強まりが見られました。

また、雇用情勢は完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きが出てきているところであります。

政府におきましても、この景気を回復させ、軌道に乗せるために昨年11月に4兆7千億円規模の補正予算を組みました。社会資本整備を中心に、情報技術(IT)革命推進などで経済の構造改革を目指し財政の健全化を図ろうとしているところであります。

運輸省におきましても、運輸関係社会資本の整備による内需拡大を図って来たところでありますが、今後は国土交通省において、建設行政と一体となった都市基盤整備等を行うことによって一刻も早い景気の回復を図っていきたいと思っております。

九州運輸局管内でも、我が国経済と同様「本格的な回復軌道に乗ったといえる状況」にはないものの、アジア経済の回復に伴い「自立的回復に向けた動き」が広がっていることや政策効果により、景気の改善が続いております。

また、昨年は大きな自然災害及び事故が多発しました。有珠山、三宅島における噴火、鳥取県西部地震等の震災、東海豪雨などの自然災害や、交通関係では、営団中目黒駅構内列車脱線衝突事故などあいついで起こりました。運輸省ではこれらの事故に対処するため、昨年から今年にかけての年末年始の安全総点検において、特に「自然災害・事故発生時の応急体制の確立」を重点的に点検いたしました。言うまでもなく、「交通の安全」というのは運輸行政の最重点課題でありますので、新省庁におきましても十分に安全を確保できるよう指導して行きたいと思います。

21世紀は経済のグローバル化の時代です。国際競争に生き残るために、需給調整規制の廃止など、規制緩和に取り組むことによって競争原理を取り入れ、国民のニーズに密着した運輸政策を展開していきます。さらに、グローバル化の進展と共に国民の価値観も多様化してきています。これまでの産業育成的な政策とは全く異なる、地球環境に配慮したCO2の排ガス規制やモーダルシフトの推進、少子高齢化社会に対応した利用者保護の徹底やバリアフリー化へのシフト、ITの革新的進歩への対応等も行うことによって新時代にふさわしい政策を実施していきます。

以下、私どもが所管しています海事関係行政についての課題と抱負を述べさせていただきます。

まず、旅客航路事業につきましては、50年間続いた需給調整規制を廃止し、事業者の創意工夫により多様で高度なサービスの提供を促すこと等を内容とする海上運送法の改正が、昨年10月1日から施行されました。

 

 

 

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