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日本財団紹介コーナー

今号から4回にわたり本誌紙上にて日本財団の活動を紹介させていただくことになりました。

第1回目は日本財団が、非営利事業を実施している(財)九州運輸振興センターをはじめとする財団法人、社団法人などの公益法人に対する助成制度とは別に、当財団自らが企画し実施している事業の活動の中から当財団海洋船舶部が取組んでいる事業「和船(木造船)に関する調査研究」をご紹介いたします。

(日本財団海洋船舶部 池内賢二)

 

日本は四方を海にかこまれ、古くから船は、物資の運搬、文化の交流のために必要不可欠なものでした。私どもの祖先が長い間にわたってつくりあげてきた木造船の建造技術が、明治時代に鋼船が導入された後も、漁船や小型船においては残っていました。しかしながら、1970年代から丈夫で廉価で加工しやすいFRP船が急速に普及してかつて、どこの漁村にも和船の船大工の方々が木造船を建造していましたが、今では、ほとんど見られなくなってしまいました。そこで、今般、日本財団ではその前進が(社)日本木造船工業会であった(財)日本小型船舶工業会と共同で、どの程度木造船の建造技能をお持ちの船大工が現存されているかを調査いたしました。調査方法及びその結果は以下の通りです。

 

(1) 調査時期

平成12年1月〜3月

(2) 調査先

684社((財)日本小型船舶工業会会員造船所)

(3) 調査方法

郵送によるアンケート調査

(4) 回答

215社(回答率31.4%)

(5) 船大工有 88社

(6) 船大工人数

214人(各地域の人数は下表のとおり)

(7) 平均年齢 61.2歳

 

この調査の結果によれば、船大工の方々の高齢化がかなり進んでいることがわかります。木造船の需要がない限り技能の後世への伝承は難しいことが、本当に残念です。

当財団としても100%の伝承は不可能であっても、何らかの方法でこの技能を記録として後世に残し伝えていくことを現在検討中です。

また九州圏内でご活躍されている木造船船大工の方並びに和船に関する歴史的貴重な資料(例えば板図、船図など)の所在についての情報がございましたら収集にご協力下さい。

 

連絡先 日本財団海洋船舶部 国内事業課 池内

TLE 03-3502-2385

FAX 03-3502-0748

 

船大工数

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