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もちろん営業努力もあったことは間違いありませんけど。昨年度は20万人以上のお客さまにご利用いただき、これからも大きな成長が見込まれるんで、2002年のワールドカップ開催に向け増強しようと準備しているところです。

それから、九州とアジアの関係を人のフローでみますと、九州に来る外国人のうち、4分の3がアジアからであり、九州から出国する人の半分がアジアに出かけています。輸出入では、全国平均で3分の1がアジア地域でありますが、九州の場合はどちらも5割近くがアジア地域です。これはもう、アジアの一員ですよね。

それから、観光を考えて見ますと、観光は将来の有力なビジネスとして一番成長していくと確信しております。

そこで九州なんですが、豊富な観光資源があり、デスティネーションとして有力な地域ですが、決して安閑としていられないと思っています。観光は製造業と違って何も先進国が強いわけではありません。いまアジア地域全体が観光に力を入れていますから、大競争になりますね。欧米からの観光客がどこに行こうかと考える時に、すぐに日本・九州がイメージできるように、九州の観光資源をもっとブラッシュアップしていかなければならないと思っています。国際観光というのはその国の文化や心の観光なんですよ。だから、日本に来る外国人を増やすためには、日本人は国際観光に対する感覚を変えなければなりませんね。それは何も外国人を特別扱いするのではなくて、日本人そのものが日本文化だとか日本を知って、日本を味わいたくて来る外国人に、我々が楽しんでいる日常を提供するんだという意識を持つことだと思いますね。

観光は平和時代に盛んになるというよりも、観光が盛んになることは環境を守り、人の交流が平和をもたらすものだと思います。ですから、観光は世界的な政策として21世紀の大きなポジションを確立するのではないかと思います。そういう点で、九州は大いに張り切って観光振興に努めないといけないと常々思っています。

それで、2002年にはワールドカップがあります。期間中、わずか1ケ月の間に集中して大勢のお客さまが外国からやってこられます。これについては4つの初めてと2つの不慣れがあると言われております。21世紀で初めて、共催が初めて、アジアで初めて、それから島国や半島ではほとんど初めてということです。

また、不慣れとは外国人に不慣れ、サッカーを余り良く知らないということです。ですから、いろんな問題が起きると思うんです。ただ、九州でも試合がありますし、これは世界中に九州の本当の良さを知ってもらえる絶好のチャンスだと思います。ぜひ、日韓が協力して大会を成功させ、このチャンスを活かしたいと考えています。

 

中西局長

観光の問題といいますと、日本に来る外国人の方は400万人位、それが日本から外国に行く方は1500万人と、一方的であり、さらに、人口に占める外国人旅行者の比率というのは、先進国の中では抜群に低いわけです。こういった状況をどう変えていくかというのは、これから21世紀に向けての日本の大きな問題ですね。

中でも問題なのは、日本は非常に物価が高いということでしょうか。この前も、福岡におられる韓国の総領事が1日1万円で旅行できるようにするというアイデアはないのかとおっしゃっていました。行政としてもやることはたくさんあると思いますけれど、やはり観光の分野というのは民のほうの力が大きいと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

最後になりますが、今後ともセンターの業務について、ご指導をお願いします。

 

石井会長

最後に、私は今日の対談で、当センターが果たすべき役割の重要性をつくづく痛感致しました。

本年度も九州運輸局をはじめ、関係官庁のご指導、そして、理事、監事及び評議員の皆さんのご協力と、賛助会員の皆さんや、さらに日本財団と日本海事財団のご支援を受けて、地域経済の振興及び、皆さんの社業の発展に貢献できるよう努力しようと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

本日は大変お忙しい中どうもありがとうございました。

 

 

 

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