日本財団 図書館


(7) 自由回答

海上輸送を活用した物流効率化に関する製造業者からの意見・感想としては、以下のようなものが挙げられている。

 

■港湾へのアクセス条件整備について

○卸・小売店への納品が主であるメーカーとしては、納入リードタイム上、海上輸送の利用は条件として厳しい。海上輸送と陸上輸送とのアクセスの改善が不可欠と考える。

 

■利用条件としての貨物量確保について

○今後、モーダルシフトへの寄与の観点から海上輸送の比率を上げていくつもりであるが、宮崎県にはまだ顧客が少ないため、当面は現状通りで推移することになると思う。

○南九州地区における取引が極めて少なく、物流に関し特別な対応を要していないのが現状である。また、従来当社では客先への着時刻(日程)重視もあり、海上輸送は不向きとの認識を持っている。

○宮崎に製造仕入先があるが、九州→関西/関東のみであり、帰り荷がなく、物流コストに課題がある。空コンテナの有効活用等について検討していただきたい。

○当社製品は容積勝ちのものがほとんどであり、重量勝ちなものにメリットが発揮される海上輸送にはなじみにくく、利用しにくいのが実情である。

○海上輸送(及びJR貨物)には大量輸送というイメージがある。弊社の物流は少量多品目で温度管理(記録可)のできる医薬品専用車若しくは混載便で出荷しており、リードタイムが短かく、出荷翌日の午前中配達が主流となっている。また、翌日中の配達が原則であるため遠方は全て航空便を利用している。このため、現状では海上輸送への変更は考えにくい。

○輸送ロットが小さいので海上輸送の利用は想定しにくい。

○当社製品は電子機器及びその部品材料であり、重量はともかくロットが小さい。そのため輸送によるメリットは少ない。また、おおむね混載便利用であり、途中の海上便(フェリー)利用は運輸業者の選択である。

○当社の場合、荷姿が小さく、重量も軽く、時間(納期)が催促されることが多く、トラック便の方に利便性がある。

○物量からいって特に海上輸送を意識したことはない。

 

■環境にやさしい輸送手段としての位置づけの明確化

○海上輸送する目的、メリットとして、1]モーダルシフト(環境問題への対応)、2]運賃の低減がある。現在は陸送中心であるが、運賃が大幅に安くなれば海上輸送の利用価値はさらに高まる。

○一般に長距離輸送でJR、海上輸送の活用(モーダルシフト)は、単に運賃が安いことのみならず、トラックの排ガス問題等の環境保全に配慮した運用が重要となってきている。その中でJR利用は全国一社のため活用しやすいが、海上については多くの一般業者があり、料金、所要時間、港等多義に渡り利用しづらい面がある。

○地球環境保護の視点からすると海上輸送は最適な輸送手段であるが、現実として企業の立場から考えると利潤確保も重視せざるを得ない部分もある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION