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(3) 考察

○ネット通販業者においては、商品の配送を物流業者に全面的に委託することが一般的な傾向となっており、多様な購買者ニーズへの対応を配送面でも確立し、一層のネット通販市場の拡大を図っている。

○ネット通販業者を除くいずれの事業者においても、ネット販売に対する潜在的な需要拡大の可能性自体は認めており、既にネット通販による販売が定着している品目が一部にみられる。ただし、特にメーカーや小売業者など、販売主体である事業者では当面はネット通販に対して過剰な期待を抱くことは適切でないとの見解でほぼ一致しており、あくまでネット通販を二次的な販売ツールとして位置づけている。

○これに対して、宅配便業者を中心に物流業者においては、ITを活用したBtoBに焦点を当てたサービスが拡大しており、当面の動向としてはこうした企業間取引におけるインターネットの活用が注目される。

○こうした動向から、ネット通販の将来的な見通しについてみると、まず大都市圏から地方圏への貨物については、ネット通販を通じて、地方ではそれまで入手が困難であった商品も含め豊富な種類の商品購入が可能となることから、貨物量はある程度増加することが予想され、これに伴う片荷問題の改善が期待される。ただし、ネット通販業者の間では配送を宅配便業者に全面委託することが一般的となっていることから、直送化を推進する上では、ネット通販業者に対するアプローチよりも宅配便業者との連携もしくは支援施策を構築することが有効と考えられる。

○また、宮崎を含めた地方圏から大都市圏への貨物についても、これまで全国的な配送網を持たなかった地方の小売業者の中には独自性の強い商品を販売する業者も多く、大都市圏には多様な消費ニーズがあることから、ネット通販を活用することによって新たな販路が発生することが期待できる。

 

 

 

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