・マユダマ:樹の枝に団子やみかんをさして祝う小正月の行事である。元来が農作物の予祝儀礼であると同時に、かつて養蚕がさかんに行われた地域ではカイコの安全を祈願したり、繭の豊作を祈願するといった要素が強く表れている。団子をさす樹はコナラやシラカシが多く、台木にはクワの古株が利用される。瑞穂町には「マユダマの木を明きの方(東方)の方角から伐ってくる」という伝承があり、ふるい慣習のなごりが認められる(瑞穂町史編さん委員会『瑞穂町史』、1974)。
表I-2-6 年中行事における植物の利用
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