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2 公営企業の制度

 

地方財政法は、公営企業であって政令で定めるものについては、その経理は特別会計を設けて行い、原則として当該企業の経営に伴う収入をもって経費に充てなければならない(独立採算)こととしており(同法第6条)、同法施行令は、同法第6条の政令で定める公営企業として、1]水道、2]工業用水道、3]交通、4]電気、5]ガス、6]簡易水道、7]港湾整備(埋立事業並びに荷役機械、上屋、倉庫、貯木場及び船舶の離着岸を補助するための船舶を使用させる事業に限る。)、8]病院、9]市場、10]と畜場、11]観光施設、12]宅地造成、13]公共下水道の13事業を揚げている(同施行令第12条)。

なお、同法第6条は、その性質上当該公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費及び当該公営企業の性質上能率的な経営を行ってもその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費については、独立採算の例外としている。

地方財政法の特別法である地方公営企業法は、おおまかに言って、公営企業の財務関係及び組織身分関係を規律している。公営企業のうち地方公営企業法第2条第1項で定める7事業(水道(簡易水道を除く。)、工業用水道、軌道、自動車運送、鉄道、電気、ガス)については、同法全体の適用が義務づけられており(同条同項)、また、病院については、財務規定のみ適用が義務づけられている(同条第2項)。それ以外の公営企業(例えば下水道、簡易水道)については、同法の適用は義務づけられていないが、条例で定めるところにより、同法の全部又は一部を適用することができることとされている(同条第3項)。

 

 

 

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