日本財団 図書館


(2) 州・地方付加価値税の国際比較

○ 多段階間接税としての付加価値税は、地方税になじまず、その果実は中央政府が独占すべきという伝統的な観念は、各国における制度化という事実によって打ち破られつつあり、中央政府による独占は崩れつつある

○ 各国における州・地方政府段階での付加価値税の制度化は、いろいろな論点が解決されないまま様々なタイプが生まれるという事実が先行している。

○ 地方税で付加価値税を実施する場合には、租税国境が設定できないために、様々な税務行政上のコストが発生する。特に原産地原則にこだわると、そのコストは大きくなる。

○ 付加価値税の政府間割り当ての方法としては、様々な選択肢がある。

税収分与方式(タックスシェアリング)…ドイツ、オーストリア、タイ

連邦・州課税ベース共有方式(仕向地原則)

重複型(dual VAT)…ケベック州売上税(繰延支払方式)

共同型(joint VAT)…1996 EU閣僚委員会提案、カナダ大西洋沿岸3州の統合売上税、地方消費税

独立税方式

原産地原則…ECノイマルク委員会勧告、ブラジル

仕向地原則

税額控除精算方式(タックスクレジットクリアランス)…ECコックフィールド報告、CIS

繰延支払方式…EU全域

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION