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2 地方公営企業や地方公社・第三セクター等に要する経費

最近の地方公共団体の行財政活動においては、地方公営企業や地方公社・第三セクター等のウェートが大きくなってきており、また、今後PFI事業の導入が見込まれるところであるが、これらに要する経費が財政分析指標上十分に勘案されているか、検討した。

決算統計では、公営企業繰出金のうち繰出基準に基づくもの、地方公社・第三セクターヘの財政支援に係る経費のうち数年度にわたり継続的に支出されるもの及びPFI事業における債務負担行為に係る経費については「経常的経費」に整理されており、これに充当した一般財源等は、経常収支比率の分子に既にカウントされている。

公営企業繰出金のうち企業債の償還に係るもの、PFI事業における債務負担行為に係る経費のうち公債費に準ずるものについて、公債費負担比率や起債制限比率の算定上、公債費と同様の取扱いをするかについては、債務を負っているのは当該普通会計ではないことから、むしろ経常収支比率や経常収支比率の補助費等分や繰出金分等別の財政分析指標で分析を行うべきではないかと考えた。

 

3 繰上償還

後年度の公債費負担の軽減を図るため、償還期限の到来しない過去の金利の高い地方債の繰上償還を行った場合の財政分析指標への影響について検討した。

繰上償還は、経常収支比率の算定対象となる経常経費ではなく、起債制限比率の算定式上公債費から除かれていることから、両指標には影響が及ばない一方、公債費負担比率については、繰上償還はその数値を押し上げることになる。

公債費負担比率について、起債制限比率と同様算定上公債費から繰上償還費を除く扱いをするかについては、当比率が現実に収入支出した一般財源の出し入れを測る指標となっていることや時系列的な連続性等にも留意する必要がある。

 

4 その他

(1) 交付税特別会計借入金

交付税特別会計の借入金が平成13年度末で42兆円にのぼり、うち地方負担分が28兆円と巨額に上っているが、この借入金相当部分について財政分析指標上勘案すべきか、検討した。

 

 

 

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