2 経常収支比率の概要
(1) 意義
経常的経費に充当された一般財源等の経常一般財源等に対する比率であり、財政構造の弾力性を判断する指標。
○経常一般財源等
毎年度連続して経常的に収入され、自由に使用できる財源のこと。普通税、地方交付税、地方譲与税等のほか、使用料、手数料、財産収入等のうち経常的に収入され、自由に使用される財源が該当する。
○経常的経費
地方公共団体が毎年度連続して経常的に支出する経費のこと。人件費、物件費、維持補修費、扶助費等、公債費のうち、臨時的性格の強いもの(例:公債費のうち繰上償還に係るもの)を除いたものが該当する。
(2) 算出方法
(3) 指標の判断基準
この指標は、昭和44年度から財政分析に用いているが、バブル景気や石油危機等の特殊事情が影響する以前の昭和40年代後半の水準をみると、都市の平均が75%程度、町村の平均が70%程度であったため、都市では75%程度、町村では70%程度が妥当であり、これが各々5%程度超えると財政構造は弾力性を失いつつあると考えられている。
(4) 近年の推移
平成元年度には69.8%まで低下していたが、その後上昇に転じた。特に地方税が減収に転じた4年度以降は急激に上昇し、公債費負担の増加等ともあいまって、6年度以降は80%を超える水準となっている。10年度は89.4%となり、集計開始(昭和44年度)以降の最高値を示したが、11年度は対前年度比1.9%減少し、87.5%となった。