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■年齢別人口の推移(国勢調査(統計区))

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2. 博多部振興ブラン

(1) 博多部の歴史

福岡市は古来よりアジアに開かれた都市として発展してきた。10世紀初め頃から貿易のそして都市の中心地は今の博多部であった。

江戸時代になって政治的役割をもつ城下町が福岡部に設けられ、政治行政機能を担う「福岡」と商業文化機能を担う「博多」という、双子都市としての原形が形づくられた。

そして、明治、大正、昭和と、本市の都市発展の中心的役割を果たしたのが、歴史的な伝統文化を持つ商業拠点としての博多部であった。また、そこでは、居住と商業が一体的に営まれていた。

しかし、昭和30年代中頃から、福岡部の天神地区の都市インフラの整備や商業・業務機能の充実により、都心としての中心は次第に天神地区に移っていき、博多部は停滞することになった。また、住宅地が郊外へ発展し人口も流出することとなった。

 

(2) 福岡市における博多部の役割

戦後の高度成長期は経済効率が優先され、地域の個性ともいえる歴史的伝統文化はむしろ軽視され、それ故、全国的に画一的な都市が形成されてきた。

しかし、「もの」から「心の豊かさ」を求める時代へと社会環境が変化する中で、都市においても画一的な都市づくりからの脱却が重要なテーマとなってきている。

都市経営的視点からも、国際化や都市間競争の時代にあって都市の個性化は不可欠であり、その意味からも福岡の持つ歴史や伝統文化、これらは先ほど述べたように主に博多部が持っているのであるが、これらが福岡市の個性として非常に重要なものであると再評価されている。

 

 

 

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