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1 広島市の人口の動向

 

(1) 人口の動向

まず、課題である都心居住の背景について人口の動向を巨視的に見ることにより把握しよう。

広島市は昭和60年に西隣の五日市町と合併し、100万人都市となるとともに、現在の8区体制に移行した。以降の市全体及び中区(※)の住民基本台帳による居住人口及び世代別(年少、生産年齢、老年)人口について、本年度までを概ね4年間隔で見ると、表1のとおり推移している。

(※)中区は都心居住の対象である都心のエリアの大部分を占める。南区、東区、及び西区の一部も都心居住の対象地域(図1参照)としている。

 

1] 15年間の人口推移の特色

●市全体の人口は約8.7%増加(年平均約0.6%)しているが、中区の人口は約9.2%減少(年平均約△0.6%)している。

●中区を除く人口は約11.3%増加(年平均約0.8%)している。

 

2] 世代別人口の推移の特色

●年少人口(0〜14歳)は市全体で減少(約△26.0%)しているが、とりわけ中区(約△40.5%)は市全体の減少率を大きく上回っている。

●生産年齢人口(15〜64歳)は市全体では増加(約11.1%)しているが、中区は減少(約△10.3%)している。

●老年人口(65歳以上)は市全体で増加(約83.1%)しており、中区(約52.0%)は市全体の平均増加率を下回っている。

●しかしながら中区では、年少人口の減少数(△9,535人)が老年人口の増加数(7,208人)を上回っており、また、平成12年の老年人口(21,076人)が年少人口(14,021人)よりも多いため、老齢化指数(老年人口/年少人口×100;人口高齢化の程度を示す指標の一つ)は大きく増加し、平成12年で150.3(市全体では91.3)となっている。

●中区は老年人口の対人口比率(17.8%)が市全体の平均比率(14.2%)を大幅に上回っている。

 

近年、人口があまり増加しない中で少子・高齢化が進行しており、とりわけ都心部の中区でその傾向(総人口及び年少人口の減少、生産年齢人口の横ばい、老年人口の増加)が顕著に表れている。

 

 

 

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