(4) 都心周辺密集市街地
ア 市街地の特徴と取り組み
鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区等の戦前からの下町的既成密集市街地は、老朽化した住宅や狭い道路が多く、住環境や防災面でのさまざまな問題を抱えている。一方で、交通利便性が高く、都市的サービスの享受が可能であるなど住宅地として優れた条件を備えている。
このため、地域に密着した商業・業務機能を誘導するとともに、老朽木造住宅密集地区や住工混在地区において総合的な市街地環境対策を推進し、利便性のよさを生かした良好な都市型住宅地として再整備していくことが必要である。
これらの再整備の取り組みの一つとして、住宅地区改良事業や密集住宅市街地整備促進事業などの「住環境整備事業」による街づくりを実施している。
また、これらの地域は、高齢化が進んでおり、住み慣れた地域に住み続けたいというニーズに応えていくため、借上型高齢者用市営住宅(横浜市名称「シニア・りぶいん」)の供給を重点的に進めている。平成12年度末までに戸の供給がなされている。
イ 鶴見本町通・潮田地区 密集住宅市街地整備促進事業
1] 現況
当地区は、一部の地区で戦災による焼失をまぬがれた上、京浜工業地帯に隣接していることから、戦後急激に市街化したため、老朽住宅の密集や道路の未整備等、住環境の問題を抱えている。このため、平成5年11月に「密集住宅市街地整備促進事業」を導入し、老朽木造住宅の建替誘導や生活道路・広場等の整備を進めている。
平成9年6月には、「まちづくり協議会」が発足し、住民が主体となった住環境の改善に取り組み始めている。また、平成12年に「防災再開発促進地区」を指定し、老朽住宅等の建て替えを一層促進している。