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3.4 今後の考えられる視点

都心部での人口の減少、地価鎮静化以降の都心でのマンション建設の動き、高齢者等を中心とした都心の回帰ニーズなどの動向を踏まえ、都心居住の潜在ニーズを掘り起こすことのできるソフト・ハード両面からの総合的かつ効果的な対策の展開が必要となる。

本市の特性としては、都心居住が昔からあり、減少はしているものの現在も一定程度維持されていることにあるのではないか。それらの居住を維持し、更に新たな住民が魅力を感じて住めるようにしていくことが必要である。

この視点を踏まえ、本市では、駅東第二地区での街区まちづくり検討事業においてみられるような区画整理事業地内での街区の活用方策について検討するなど基盤整備の段階からの都心住宅整備への取組みが図られている。また、本市の都心部に位置する青葉区木町小学校区では、地区内の児童の健全育成及び子育て支援を図るとともに地域コミュニティの拠点を形成をするため、校舎改築にあたり、市民センター・児童館の併設を盛り込んで居住環境の向上を図る計画が進んでいる。

今後、都市の顔でもある都心の求心力を維持していくためには、都心での広域中枢機能の立地を進めやすくする環境整備、少子高齢化等の今日的変化に即応し得る医療・福祉等のサービス機能の充実・強化、広域的な集客力を有した都心を楽しむことのできる新たな機能の導入、都心が有する「利便性」や既に集積されている都市機能の再評価と活用など、都心機能再構築の中で、安心して快適に住むことのできる居住環境を総合的に計画、育成していくことが本市に求められる。

また、本市においては、都心居住に関する総合的な取り組みについて、市民のコンセンサスをもって政策形成をする都心居住に直結するような施策事例は乏しい。

今後、本市の外郭団体であるシンクタンク・仙台都市総合研究機構が数年にわたり取り組んできた調査研究成果を活用するとともに、同機構や関係部局間の連携を強めながら、政策の形成と具体的展開に努めていきたい。

 

 

 

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