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平成11年春季講演論文概要

 

1]船体まわりの自由表面乱流流れをシミュレートする計算アルゴリズムの高効率化(英文)

平田信行(船研)、日野孝則(船研)

近年、CFDによる最適化の研究が進み、高効率、高精度な計算法が要求されている。本研究では、自由表面流れ用の陰的/多重格子Navier-Stokesコードを開発した。直進する船まわりの自由表面流れを30万点の格子で計算した結果、波分布、全抵抗はともに実験と良く一致し、また、計算時間もalpha互換PC機(500MHz)で5時間程度であり、本計算法が非常に高効率かつ高精度であることがわかった。

 

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2]Rankine source法に基づく造波抵抗最小船型の計算

鈴木和夫(横浜国大)、伊岡森信臣(千代田化工建設)

本研究の前半では、自由表面パネルの生成に楕円型自由表面パネルを採用したRankine source法を導入し、その結果、船型計画のツールとして有効であることを確認した。後半では、初期船型に対する形状変更関数の導入と、逐次2次計画法SQPにより船型最適化を行う手法について検討し、初期船型としてHTC船型を採用した数例の船型改良計算例について報告した。

 

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3]密度関数法による気泡流に対する直接数値シミュレーション

金井亮浩(東京大学)、宮田秀明(東京大学)

気泡による壁面乱流摩擦抵抗減少の効果は、これまで多くの実験的研究が行われてきたが、そのメカニズムについてはほとんど理解されていない。本研究では、密度関数法により2相流の計算を可能とするコードの開発を行い、上昇気泡、気泡の合体などに応用しその有効性を示した。また、チャンネル乱流中に108個の気泡が含まれたDNSを行い、摩擦抵抗減少は気泡により壁面乱流による渦構造形成が妨げられ、乱流強さが減少していることが大きな要因であることが分かった。

 

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チャンネル乱流中の気泡

 

4]円柱に対する水中衝撃波の反射と回折に関する基礎的研究

遠山泰美、今北明彦(三井造船)

水中爆発によって発生する衝撃波が円柱構造物の表面で反射、回折する現象を線型理論に基づく固有モード重畳法を利用して解析する手法を提案した。2次元平面衝撃波と3次元球面衝撃波について解析し、陽解法有限要素法コードによる数値解析結果と比較した。本手法により衝撃波特有の圧力の鋭い立ち上がりを良好に再現できることが判明した。

 

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固定円柱まわりの球面衝撃波圧力

 

 

 

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