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図5.2 航路図と実験場所:Site A〜Site D

(航路上の数字は、船内時間でのその日付けの正午の位置を示す)

 

本航海のベーリング海峡通過後の航路図を図5.2に示す。また、氷中試験遂行中のKandalakshaを図5.3に示す。

 

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図5.3 氷海実験中のKandalaksha:1995年8月22日

 

図5.4に、航路全体に付いての約1時間平均の船速の推移を示す。この船は、2つのエンジンを搭載しているが、燃費向上の為、通常は1エンジンで運航された。平水中での1エンジン使用時の船速は約12ノット、2エンジン使用時は14ノット強である。横浜からキルキネスまでの総航行距離は6,887海里、平均船速は11ノットであった。また、氷海域では、図5.2のSite A(ウランゲル島付近)で、氷密接度の低かった前半では8〜10ノット、後半は氷密接度が上がり2〜4ノットであった。ここは、多年氷の氷盤群が多く、航行中、最も厳しい氷況であった(アイオン大氷域:3.2.3節)。一方、Site Bでは4〜5ノット、Site Cでは6〜8ノット、Site Dでは8〜10ノットであった(タイミル大氷域およびカラ海北部大氷域:3.2.3節)。これら船速と氷密接度の関係を図5.5に示すが、密接度が高くなると船速が遅くなるという傾向が見て取れる。なお、航行中、連続した巨大氷盤に遭遇することはなく、殆ど中氷盤以下の氷盤群で構成された氷況であった。

 

 

 

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