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北極海航路?東アジアとヨーロッパを結ぶ最短の海の道?

 事業名 北極海航路開発調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


これらは高価な製品であり、専用船、コンテナー船などが必要であり定期性と定時性が求められるものである。また、これらの製品群はNSR通過時の温度差による被害を受けやすく、NSRには不向きであると判断される。

ロシアおよびバルト海3国からアジア向けの輸送は1996年、約500万トンに達する。その大半は中国向けである。製品別の分布を見ると、鉄製品、肥料がその主たる品目である(図4.4-1)。これらの品目は定時性に対する要求が比較的低く、温度に対する耐性もあり、NSRに適した品目である。IsakovらはNSRの科料、NSRの入港税などの改善が図られ、荷主に対して十分な保護が与えられれば、この内、170〜190万トンがNSRにシフトされる可能性があると報告している(WP-139)。NSRトランジット貨物の活性化のシナリオとしては、比較的、定期性、定時性を必要としない、温度差に強い、バルク貨物の増大から始まると予測するのが現行貨物の傾向からすると妥当であろう。特殊な用途として、夏期のヨーロッパから日本への鮮魚輸出などが検討された経緯がある。

 

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図4.4-1 ロシアおよびバルト海3国からのアジア向け輸出品の構成

 

4.4.4 コストシミュレーション

 

NSRの輸送量の変遷で触れたように、現在はロシアの貨物船により中国向けなどに細々とトランジット輸送が行われているに過ぎない。しかしながらNSRを将来、商業航路として利用した場合にどの船種を投入したら、どの程度の利益が期待できるのか知りたいのが海運関係者の率直な疑問であろう。「NSRはコスト競争力がありますか?」との問いに答える必要がある。INSROPのPhase IIプロジェクトではこのようなユーザーの立場から、シミュレーションプロジェクトとして、SA-15タイプよりも大型の新船型3種類をNSRに投入した場合の運航コストを代表的な4つの航路について積算し、NSRの経済評価を行った(WP-164)。シミュレーションで重要な事項は、船速とそれを低下させる主な因子である氷厚、密集度、リッジなどの氷況データの関係を求めるアルゴリズムと、氷況データの正確な記述である。今までにもNSRの運航コストの試算例は幾つかあるが、いずれも船速と氷況の関係を表形式で表現したり、月別の船速を仮定したりしたもので、その信頼性は乏しいものであった(Wergeland, 1992, Schwarz, 1995, Mulherin, 1996)。本シミュレーションでは、ある氷況下における船速を予測する数学モデルを新たに開発し、氷況データについてはAARIが過去約40年間の歴史的データを航路に沿って整理したものを用い、船速と氷況の関係を正確に評価した。氷況データの表記方法としては、過去の歴史的なデータから海域別に氷厚、密接度などの確率分布を求め、モンテカルロ法などにより航路の氷況を割り付ける方法と、ある長い期間の歴史的な氷況データをそのまま使い、忠実にある年月からある年月までの間、船を仮想的に運航し、その解析結果から評価する方法が考えられる。ここでは後者の方法を選んだ。

 

 

 

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