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3.1.7 アルベドの季節変化

 

地球表面に当たる日射量に対する反射日射量の割合(反射率)をアルベド(albedo)という。地球全体の平均アルベドはほぼ30%である。種々の地球表面のアルベドを見ると、太陽高度が高いときの海面は8〜10%、草地は15〜25%であり、砂漠は明るさによって20〜45%と変わる。雪氷域のアルベドは、新雪が75〜90%、湿った積雪が40〜60%、雪の載っていない海氷が30〜45%であり、地球の平均アルベドを30%に高めているのは雪氷域であることがわかる。雪面は、状態によってアルベドが大きく変化し、表に見られるようにその変化幅は十数%以上にも達する。

 

種々の雪面のアルベド(Radionov,1997)

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南北両半球の緯度ごとに冬と夏のアルベドの差を見ると、低緯度地方はアルベドの季節変化がなく、南極大陸の上も氷床の季節変化がないので一定である。夏と冬とでアルベドが大きく変わるのは、冬にだけ積雪に覆われる北半球の大陸上の季節積雪域と、冬に大きく広がる南極大陸周辺海域の季節海氷域である。北極海の多年海氷域は、夏になると表面が融けるので、冬と夏とのアルベドに差が現れる。

 

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アルベドの緯度分布と夏冬変化(小野, 1995)

 

 

 

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