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(3) 防除処理

浮遊性の液体物質の流出事故に対しては(2)1]及び2]で述べたとおり物質の性質に応じ厳重な火気管理、中毒防止を図りつつ蒸発促進及び水中溶解によって大気又は水中拡散を図るが、長期にわたり水面に滞留する等海洋汚染或いは付近海域の危険性が継続する状況にあっては、現状回復のための防除処理が必要になる。

防除処理の方法は、現在のところそれぞれの有害液体物質に対する専用の防除資機材が開発されていないので、流出防除処理に準じた拡散防止、回収処理、分散処理及び回収後の処理等の方法を基本に有害物質の特性を加味しながら検討しなくてはならない。

1]拡散防止

a. オイルフェンスによるせき止め法

拡散防止のためのオイルフェンスの使用法は、流出油の拡散防止と同様の方法がとられるが流出油と異なるところは水面拡散速度が速いため、オイルフェンスを展張して流出物質を包囲、せき止め等を行う場合の作業時間が長くなれば、その間に拡散薄層化する事が十分予想されるため、オイルフェンスによる拡散防止措置を講じることが決定後は、直ちに作業に着手し短時間のうちに、しかも液層が厚く拡散途中にある液層を主体とした展張を行う等現場における流出状況に応じた臨機の措置が必要である。

◎オイルフェンスの有効性

●溶解・変形

 

オイルフェンスの変化

○:変化なし

△:変化やや有り

×:変化有り

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