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(3) 人海戦術(平成2年1月:京都府伊根町)

貨物船(7,027トン)の座礁により、C重油等約900klが流出した事故で、国道下断崖絶壁の入り江に漂着した。

これらの回収搬出のために要した日数は58日間に亘り、自衛隊等延べ25,000人が動員された。

手作業で回収された油は、土嚢袋(1袋当たり25kl)に入れられ、その数は4万袋を超えた。

これらの搬出は困難を極め、海上平穏時には、漁船で搬出し、また時化の時は、海岸と国道の間に索道を作り、それを利用して搬出を行った。

 

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写真2 回収作業に従事する自衛隊員

 

(4) オイルフェンスによる回収(平成7年11月:十勝港)

着桟中の貨物船からC重油20klが排出された事故。

この油の多くは港外に流出したが、港内に残った油の回収のため、オイルフェンスをU字型に曳航し回収を実施した。

このため、小型漁船4隻とオイルフェンス160mをセットとし、2セット編成、早期の全量回収ができた。

 

(5) オイルフェンスによる閉鎖ができなかった事例(平成7年9月:周防灘)

タンカーの衝突によりC重油94klが流出した事故。

この事故は、油が姫島に大量に漂着。同島周辺海域では潮流が速い等の影響によりオイルフェンスによる閉塞ができず、この漂着油がその後10日間程汚染源となった。

漂着した油は、島民の人海戦術により回収処理された。

 

 

 

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