2. C重油の事例
(1) 機械力による回収(平成6年10月:和歌山下津)
タンカーの衝突により、発電所用燃料ブレンド油570klが流出した事故。
この油は、性状表から流動点が27.5℃であることから回収用のクレーン船と油貯留用のボックスバージを手配、この機械力によりオイルフェンス内に溜まっていた大量の油を洋上で回収することができた。
オイルフェンスは、事故日の早朝から地元勢力により効果的に展張され、また沿岸部に漂着した大量の油もオイルフェンスにより閉塞されたため、他への汚染の拡大を防ぐことができた。これらの油は自衛隊員等により回収され、クレーン船により搬出された。
6日間でほぼ全量の回収と沿岸部からの回収油の搬出を完了した。油処理剤は、流動点、高粘度を勘案し使用しなかった
(2) 油処理剤の大量の散布(平成5年5月:福島県小名浜沖)
タンカーの衝突により、発電所用燃料ブレンド油521klが流出した事故。
当初沖合いの油に対し、ヘリコプター等を使用し大量の油処理剤の散布を行ったが、この油の比重は0.998と重く多くの油が海底に沈降した。
沈降した油は、吸引ポンプ等を使用し一部の回収を行った。