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(付録1)

事故事例

 

1. A重油の事例

 

(1) 包み込みの回収(平成5年2月:苫小牧)

港内の船舶からA重油10klが流出した事故で、流出油の濃い部分を吸着材フェンスで取り囲み、その中にシート状の油吸着材を投入した。その後、吸着材フェンスを岸壁に引き寄せながら絞り込むことにより短時間で全量を回収することができた。

他の油は、オイルフェンスと岸壁との密着が不良であったため港内に拡散した。この油は、タグボートによる放水攪拌により分散させた。

この防除に要した日数は3日間、油処理剤は港内にプラントの取水口があったため使用しなかった。

 

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図−1 吸着フェンスによる包み込み

 

(2) 自然消滅(平成2年11月:鯵ケ沢)

港外の防波堤テトラポットに座礁した漁船からA重油30klが流出した事故で、この油は荒天により人工的な措置を行わなくとも早急に自然消滅した。

 

(3) 油処理剤の散布(昭和58年8月:気仙沼沖)

沖合い10マイルの海上で衝突によって、タンカー(999トン)からA重油362klが流出した事故で、北東の弱い風により沿岸に漂着する可能性があったため、タグボートにより、油処理剤57klを散布。

被害の発生なし。

 

(4) 漂着油の焼却(平成元年2月:天売島)

座礁した漁船からA重油が流出した事故で、付近の磯に打ち上げられた油をガスバーナーで焼却した。

 

 

 

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