収集情報により大規模被害が発生したとき「災害対策基本法」に基づき運輸省に設置石油コンビナート地域の発災時本部長自治大臣とし、消防庁に設置
(5) 非常災害現地対策本部の設置
本部長 運輸政務次官
関係地方行政機関、関係地方公共団体等の実施する応急対策の総合調整
石油コンビナート地域の発災時本部長自治大臣
(6) 地方公共団体の対策本部
地方公共団体は、必要に応じ「災害対策基本法」に基づく災害対策本部等又は「石油コンビナート等災害防止法」に基づく石油コンビナート等防災本部の現地防災本部を設置
IV. 油の性状と変性
海上に排出された油の防除作業を実施するに当たっては、流出した油の性状を把握し、流出現場海域の気象・海象条件から油がどのように変化するかを予測することが必要であり、防除作業の方針を決定する前提となる。
防除の対象となる油の性状は、事故を起こした船舶の船舶所有者、荷送人、荷受人等から入手可能であり、また流出油の種類、流出量、気象・海象状況等のデータをもとに油の現況、変性を推定し、防除作業の方針を決定する。
1. 油の性状
(1) 比重(密度)
比重は、海面上での油の浮力を決定し、油の拡散と自然分散に影響を及ぼす。
比重は、15℃における油の質量とそれと同体積の4℃における水の質量との比として15/4℃、または60゜Fにおける油の質量と同体積の60゜Fにおける水の質量との比として60/6゜Fで表される。
また、主として原油に対しては、API度の表示法が用いられている。
API度=141.5/60/60゜F比重−131.5
API度は、数値の大きいほど軽質原油といえる。
比重と密度との関係は、次のように換算される。
密度t℃(g/cm3)=比重t/4℃×0.99997
また、摂氏と華氏との換算は、次のとおりである。
G(15/4℃)=G(60/60゜F)×0.9979
(2) 粘度
油に一定の力を加えて流れをつくるとき、この流れに抵抗する力が流れと反対方向に働く。この力を油の内部摩擦力といい、油のこの性質を粘度という。従って内部摩擦力の大きな油ほど高粘度となり、粘度の高い油は流れにくく、低い油は流れやすい。