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その後同法は幾度かの一部改正が行われたが、平成9年1月に日本海で発生したナホトカ号及び同年7月に東京湾で発生したダイヤモンド・グレース号による流出油事故の反省から、平成10年5月27日これまで対象とされていなかった領海外の外国船舶からの油流出事故の場合にも海上保安庁長官が海上災害防止センターに対し、必要な措置の実施を指示することができることとなった。ただこの場合、海上災害防止センターは海上保安庁長官の指示に従い油防除措置を講じても、油タンカー以外の外国船舶にあっては費用を回収することができない。このため、海上災害防止センターが国の業務を代行して油防除措置を講じることに鑑み、国が要した費用を予算の範囲において交付することとなった。

また、同改正法により、合わせて海上保安庁長官は、海上保安庁及び海上災害防止センター以外の機関に対し、必要な措置の実施を要請できることとされ、これらの機関が海上保安庁長官の要請に基づき措置を講じた場合には、原因者に対し費用の請求ができることが規定された。

 

海上災害防止対策は、大別すると未然防止対策、発災時の対応対策及び補償対策である。

補償制度は、民事責任条約と基金条約を受けて「油濁損害賠償保障法」が制定されており、未然防止及び発災時の対応対策は、「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」で義務づけられている。

 

表I−1 海洋汚染防止法の体系

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(注)運輸省資料による。

 

 

 

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