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5-5 係船索取り扱い作業要領

 

1. はじめに

 

着桟作業において、綱取りボートやヒービングラインによる係船索の引き出しをスムーズに行うために、着桟前に予め桟橋まで届く十分な長さの係船索を、甲板上にコイルダウンまたはスネークダウンして準備体制をとっている。しかし、綱取りボート手渡し後の係船索の自重による落下や綱取りボート引き出し中の急激な走出によるプロペラやサイドスラスターへの係船索の巻込みを防止するため、「急激な落下の防止」「走出速度の調整」「絡みやかみ込みの手直し」等への対処は、手足によって作業を行っているのが実状である。このため、係船索取り扱いにかかわる人身災害が毎年各地で数件発生しており、これらの事例を分析した結果、別表(省略)のような傾向と原因があることが明らかになった。これらの要因は作業方法の改善により排除することができれば、殆どの災害発生を防止できると考えられる。

従って、係船索の綱取りボートヘの手渡し方法や、手渡し後の引き出し中は手足を使わないだけでなく、係船索の運動範囲に入らなくて済む繰り出し方法を、各船の係船設備配置の中で見直し改善すると共に、手足を使う必要が生じたときは綱取りボートを停めてから行う等の作業要領を定めた。

2. 作業の基本

(1) 係船索手渡し場所、船外監視場所の指定

綱取りボートに手渡し易く、かつ安全な場所に、手渡し場所や監視場所を指定する。

(2) 係船索作業中の危険区域係船索の運動範囲及び、その内側とする。

 

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