6) 災害の発生が危倶される作業の過程については、準備不足や確認漏れを防ぐための『チェック・リスト』を作成し、また、誤操作や誤作業を防ぐために、行動の正しさを事前・事後に確認する『指差呼称』を実施する。
《参考》
○指差呼称の実施
人間は、通常行っていることや慣れた作業などでは、特に意識しなくても自動的に手足が動き、なかなか注意が働かない。
指差呼称とは、この自動的な行動を一旦止めて、確認が必要な対象を注視し、また、声を出して再確認することで大脳を活性化し、ミスを防ぐ手法である。(財)鉄道総合技術研究所の「信号確認実験による指差呼称の効果」によると、指差呼称を行わなかった場合は、行った場合に比べて6.2倍のエラー率となっている。
7) 災害が発生したり、ヒヤリ・ハットした場合を調査して適宜、作業の標準の見直しを行い、同種の災害の再発を防止する。
8) 特に留意すべき事項は、注意喚起するための掲示・音声・アラーム等の措置を講ずる。
9) 作業前・作業後に中高年の体力・機能の低下による災害の防止対策としてストレッチ体操を実施する。
《参考》
○中高年船員の災害
船員の高齢化は、陸にも増して著しく、3人の内の2人が40歳以上、2人の1人が50歳以上である。
一方、職務上災害は、45歳以上になると急増しており、50歳以上の災害及び疾病の発生率は、40歳未満の2倍となっている。
出入港及び荷役作業中の災害についても、50歳以上の発生件数が全体の48%を占めている。