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5-2 手法・事例のCD-ROM化について

 

本プロジェクトの成果を広く公にし、できるだけ多方面・多勢の方に理解を得、利活用してもらえるよう、中心課題である立体目次の意義・製作プロセス・事例をCD-ROM化した。その概要をここに記しておく。

「超領域科学としての海洋研究」─科学分野整理学への一試行─立体目次グラフィックスCD-ROMと題し、次に示すような構成をとっている。(図1)

ここには、CD-ROMの付随資料として、その解説を文章で提示した「3.立体目次とは?」の項全文を引用して参考に資すことにしたい。本報告書第3章の解説とは別に、独立したまとまりのある一文として理解していただけると思う。

立体目次とは?

立体目次とは、3DCGを活用した検索機能を持たせた項目整理手法である。複雑系〜超領域科学にかかわる多数分野を擁する部分をとり出して整理する手法としてだけではなく、一般に階層性を具えた項目群の整理とその立体構造を動画像としてもビジュアルに理解・表示できるニューツールと位置づけることができる。

解説:立体目次の特性

通常、書物等の目次の頁には、その印刷物に収載されている諸々の事項・記述について、体系的かつなにがしの階層性をもつ配列として、順序よく見出し項目が配置され、それが何頁に見出せるかを示してある。

その本のおおよその内容(コンテンツ)を知りたければ、目次頁を開いて見るのが最も簡便な方法であるとされる。見出し項目は、キーワード機能をもつことが多いので、大勢や傾向を把握する素材として適切であることは間違いない。全体の文章の中で各項目は、ある主張によって配されているので、内容理解を検索型に進めることが可能である。

一方、一般書の後段に置かれている索引についてみると、言葉として引っぱり出すことを第一目的としているので、しばしばネット・ワーク型配列とは対蹠的な音順方式がとられていることが多い。当然、ここから趣旨や展開をよみとることは至難の業ということになる。また、索引項目同士の関連はほとんど全く見出せない。ただ、注意深く眺めれば、全体的にどの程度詳しく述べられているか、といった傾向を感じることは可能である。他方、系統的な検索システムを目指す生物種の検索表は、さまざまな生物特性を大分けから次第に詳しくしていき、最終列に種名や品種名等が置かれる。この方式では、どのような属性を鍵にとるかによって、共通性や区別点を見出すことになるので、YES-NOレスポンス方式と言えよう。

 

 

 

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