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II. 日本の大学における海洋教育に関する立体目次の作成

1. 目的

以下に述べる日本の大学における海洋教育科目を、複数の観点で整理したデータを解析するために、コンピュータ・グラフィクスを活用した立体目次を作成した。それにより、複数の分類群にわたるデータの相関を同時に判断することが可能となり、三次元可視情報にもとづいた判断が容易になった。

2. 対象と方法

(1) 調査方法

調査対象としては、全国から海洋教育に重点を置いている大学(院)・学部・学科、合計46課程(表─1)を選び、授業要項などのカリキュラム資料を収集した。その他にも国内には海洋教育を実施している大学が多く存在するが、本研究の目的は網羅的把握ではなく、いくつかの大学のカリキュラムの現状を捉えることで、日本の海洋教育が持つ傾向を探っていくという試行を行うことであり、方法論の確立的意味が大きいため、代表的な学部、学科を例として解析した。解析の元資料は各大学・学科の便覧や授業時間表類とした。

 

(2) 立体目次用データ作成作業のプロセス

開設はしていても履修しなくてもよい(つまり選択制等となっている)場合が多いため、他学部聴講などを除いた正規のカリキュラム上で、その学部を卒業した学生が履修した可能性のある全科目名をリストアップし(計1857科目)、それに対して解析を行った。

科目名から内容を推測し、以下の方法で整理した。科目名からのみでは内容を推測するのが困難なものに関しては資料に戻り授業内容を確認した。(詳細は、平成10年度日本科学協会資料の「日本の海洋教育に関する立体目次の作成報告書」。)

1] 各学部の学生が履修する可能性のある科目の抽出

海洋教育を行っている学部を選び、学部便覧資料などから開設科目をリストアップし、科目名と、それを開設している学部の関係を示す表を作成した。なお、日本国内に海洋教育を行っている学部を徹底網羅はしていない。注意点としては、現実には、開設はしていても履修しなくてもよい科目が多いため、ある学部を卒業した学生が履修した可能性のある科目という点で判断した。

2] 全科目を分類する基準の検討

前述の科目を8象限に分類する基準の見当を行った。

 

 

 

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