1] 操作的定義の1 (文献分析)
研究領域の地図、あるいは科学の地図を作りたいという要求は根強く存在しており、さまざまな試みが行われている。ここではまず科学計量学(サイエントメトリックス)の方法を用いた領域の操作的定義の試みをいくつか紹介する。これは、co-word分析、co-author分析、citation分析からなる。共語分析は、1つの文献内、節内、パラグラフ内、あるいは一文内などの単位の中で、2つの語が共に出現する頻度を計算し、それを用いて語間の距離を定義して付置を決めるものである。
それに対し、共著者分析は、これを共著関係を用いて行う。そして引用分析は、ある文献に引用されている文献を用いて、論文単位、ジャーナル単位での引用関係を集計し分析することである(6)。前2者の分析においては、対象となる文献の全文が用いられることもあれば、アブストラクトのみ、タイトルのみを分析対象とする場合もある。代表的な先行研究としては、論文テーマおよびアブストラクトに出現した共語分析を用いて、化学および応用化学における科学の地図(science-map)を作成しようとしたもの(7)、やはり共語分析を用いてある分野内の科学者集団の関心の変遷をおったもの(8)、あるいは引用関係を用いてジャーナルを単位に科学の地図を作成しようとしたもの(9)などがある。(図3)
L. LEYDESDOREF, P. VAN DEN BESSELAAR:SCIENTOMETRICS AND COMMUNICATION