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図1 ジャーナル共同体の境界形成

この境界は、そのジャーナルの妥当性要求の境界(validation-boundary)である。これを以後、妥当性境界とよぶ。これは産出される論文群の境界として、つまり論文の産出という行為(action)のあとに形成されるものである。

次に、分野disciplineというものを考えてみよう。分野は、複数のジャーナル共同体によって形成される。しかし、この世に存在する数あるジャーナル共同体群のなかで、あるものは引用関係が密であり、あるものは引用関係が疎である。したがって、引用関係が密なジャーナル共同体群を、分野(discipline)と定義することができる(5)

この知識産出の現場から定義される妥当性境界は図2のように表される。これは知識の生産現場からの分野の定義である。すなわち論文産出という生産行為─actionの「後に」形成される構造としての定義である(2)

 

 

 

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