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ここでは、ADCPの測定模式図を示すが、水深400mまで、11層の流れを、走りながら連続的に測ることができる。

得られた海洋情報は、利用目的に応じて分析・加工し、その結果をデータベースとして保管しなければならない。例えば、測深データは潮位補正等各種の補正が行われた後、エラーデータが除かれ、適宜間引かれて、等深線が書き加えられ、図3に示すような測量原図としてまとめられる。

 

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図3 等深線図(数字は水深で、単位はメートル)

 

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図4 電子海図の例(数字は水深で、単位はメートル)

 

この原図を基に、目的に応じて利用しやすい形の種々の海図として、一般に提供される。その一例を「いせしお」に搭載されている電子海図の画面から、佐久島周辺を選んで図4に示す。この場合、表示項目を取捨選択したり、レーダー映像を重ねて表示すること等が可能である。この他、水深情報を図5のような鳥瞰図(伊勢湾)として表現・提供することも可能である。

 

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図5 水深情報から作成された鳥瞰図

 

海上保安庁では、水路速報・海洋速報・表面水温分布図等を毎週定期的に提供しているが、その例を第四管区海上保安本部水路部のホームページ(http://www.jhd.go.jp/cue/KAN4/index.htm)から紹介する。図6に示したものが、そのトップページで、例えば「水路通報」をクリックすると通報インデックス画面(図7)が現れ、指示にしたがってクリックすると航行制限や航泊禁止情報、各種の海洋工事・調査の情報、ヨットレース・海上パレード・打ち上げ花火等のイベントの情報等、船舶の航行の安全に関連する情報を得ることができる。次に海洋速報を覗いてみると、図8に示すような画面が現れる。海洋速報は月2回提供されるが、この例の観測期間に見られるように、海洋観測資料の取得状況により、正確に各月前半・後半の情報が与えられる訳ではない。この画面では、海況の概況と資料の出所が示されるが、第四管区の場合は熊野灘〜遠州灘の海流図(図9:黒潮の位置と流れの概況)・表面水温分布図(図10:表面水温の等値線を実線で、過去の平均値を破線で示す)を見ることが出来る。

 

 

 

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